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小説

老人は長い昼寝をした後、
何の気なしに 寝返りをうった。

(ううっ、痛い!)

(又やってしまったか!)

年で、緩んでしまった筋肉のため
肩の関節が よく外れてしまうようになっていた。

(確か 医者が 『習慣性肩関節脱臼』 と、言っていたな。)と、
痛みの中思いだした。

何とかして、起きなくては!

少しでも動くと刺すように激痛が走る。

15分程かかって、何とか立ち上がり
どうしたものかとしばらく思案して
近所に <国際クリ❍ニッ❍> という病院があったはずだと
老人医療書を持って家を出た。

着くと ピンクの看板に デカデカと大きな病院名が書いてある!

何科かわからないが、玄関は開いていたので
とりあえず入り、職員を捕まえて言った。

(脱臼したようなんですが、、。)

職員はめんどくさそうな顔をして、少し待つように言い置いて行ってしまった。

立ったままでいるとそれほど痛くはない。

ほどなく先ほどの職員が 受付をするように言ったので
窓口で申込用紙を書いた。

(やったのが右手でなくてよかった。)

数分後、診察室に呼ばれた。

私の顔を見るなり医者はこう言った。
(おじいちゃん ここは産婦人科なんですよ!)

 ・ ・ ・ ・ ・

とても驚いた。
産婦人科だと気付かなかった自分も恥ずかしいが、
看板に何も 書いてなかったようだし、、

いや私が気付かなかった だけなのかもしれない。

そういえば、乳母車みたいなものが 描いてあった気もする。 

分野が違うなら 最初から断ればいいものを、、、。

診察代がいくらになるのか心配だ。

医者は、女医で親切そうだが、
のんびりしていて おまけに小さな声なので、
はっきり聞こえない。
でも、どうやら紹介状を書いてくれるらしい。

紹介してくれるのは地域の大きな病院だ。

この病院では 治してもらえるだろう。

しかし ここからだと隣の市になるから、
いったいタクシー代がいくらになることか?

年金生活の身では、こんな時 大変不安なのである。

タクシーに乗って病院名を言い
どれくらい代金が掛かりそうかを聞くと
なんとか足りそうなのでひと安心する。

先ほどの病院では診察代と、紹介状のお金がかかった。
確か前の脱臼の時は、全身麻酔をかけて脱臼を入れてもらったので
請求額に腰を抜かしそうになった覚えがある。

30分程で 病院についた。

受付は、終わってしまっているので、
救急窓口の方へ行ってくれと言われ、移動すると
救急ではあっても
すごい数の患者でびっくりする。

診察は、全然進んで行かない。

30分くらい経って、やっと説明があった。

緊急オペで、
整形の診療はいつ再開できるかわからないので、
近隣の整形外科に行って欲しいとの事!

全く 散々である。

もう一度ナースを捕まえて聞いてみるが、
かなり時間が掛かりそうだと言われ、
大きなため息が出た。

あきらめて近くの整形外科を
教えてもらったが、
夜なので、やっているかは不明だと。

なんたるひどい扱いだ。

私は、肩を脱臼しているんだぞ。

痛いんだぞ。と、言いたいが、
周りを見回すと 自分は軽症に思えた。

もうこうなったら、自分で、電話をして
直接聞いてみよう。
公衆電話まで行き電話帳で先ほど教えてもらった
病院を調べ電話してみた。

たくさん病院を回ったせいで、肝心の 病名 を言わずに
回った先の、病院名だけ言ったところで、
硬貨切れで、電話が切れてしまった。

もう一度電話して、(今〇〇病院からだが、
整形の医師が緊急オペで見てくれないので、
行ってもいいか?)と聞くが、
公衆電話のせいか、雑音のせいか、
難聴のせいか、何も聞き取れなかった。

相手の声が聞き取れないので、
一方的に話し 行く事にした。

肝心の『脱臼』の事を言ってないが
まあ整形だからいいだろう。

又、タクシーに乗り10分ほどの距離を移動して
個人の整形外科に着いた。

受付で書類を書き (ここは、麻酔できますよね? ) と、
聞くと怪訝な顔をされた。

大変 不安である。

診察室に呼ばれ、脱臼ですと告げた後、
前の病院からの経緯など説明すると、
医者とナースは、気の毒そうな顔をした。

(前は麻酔で、簡単に入りましたよ!、
 麻酔をかけれますよね。?)と、不安そうに聞くと
 同情の面持ちで
(残念ながら、ウチは小さいんで 麻酔は無理なんですよー。)

精魂尽き果てたのと、痛みとで床にへたり込んだ。

私のそんな様子に、
(とりあえず手で入れてみましょうか!)と、言ってくれ、
診療台に横にされた。

看護師が 私の頭の方から両手で脇をしっかり持ち
医者は、左肩(左腕)を引っ張った。

肩の向きを内側に少し向けるようにして
何回か試すが、痛すぎる。

力を抜いて身を任せれば、
きっと入ったかもしれないが、
痛すぎて抵抗してしまうのだ。

やはり無理だ。
医者も気の毒そうに、もう
大きい病院へ行くしかないと言った。

色々当たってみましょう!と、電話で
受け入れ先を聞いてくれた。

違う区の病院へ電話するも、 
そこでも整形の医師が緊急対応中、
3件目に掛けた日赤にやっとで、受け入れてもらえ
職員一同と、みんなで大安堵をした。

タクシー代が、これまた高そうなので、
ナースに愚痴ってしまった。
ナースは、ひどく同情してくれた。
医者もここの代金は、いいからすぐに向かうようにと言ってくれる。

道路まで一緒に来てくれて、タクシーを拾ってくれたナース二人に
礼を言って個人医院をあとにした。
不安で一杯だ・ ・ ・。

===================================


と、ここまでが昨日夕方 当整形外科クリニックでの診療の最後にあった 出来事です。

タクシーで去っていくご老人が、
余にも不安そうに見えたので、
おじいちゃまに成り代わり
ちょっとデフォルメもして 小説にしてみました。

まずこのご老人は、かなりな老人性難聴であります。

電話での応対は、かなり一方的で
経緯の説明が多く、肝心かなめの、<脱臼> の情報を
下さいませんでしたので、こんな事になってしまったのでした。

習慣性脱臼の方ですと
ご自分で整復する!?なんていう
強者も見えますが、殆どの場合、
強烈な痛みのため、力を抜くことが出来ず、
全身麻酔をかけての整復となります。

年齢を重ねると、肩関節を支えている筋肉の
力が弱くなるので、関節が、離れてくるんです。
それも脱臼しやすい要因です。

それにしても、大変な一日になってしまいましたね。
最初にいった産婦人科が紹介状だけでなく
確認のアポを取ってくれていたらと思ってしまいます。

大きい病院は、紹介状なしで行くと
4000円くらいお金が
高くなりますので、この場合は紹介状を、
書いてもらってよかったですね。

私の住む名古屋の隣の市から、
タクシーをつかっての大移動
さぞ高額だったことと思います。
おじいちゃま、最後に本当にボヤいて見えましたもの!

こうゆう時こそ、救急車 つかってもいいように思うのですが、、、

麻酔下での整復だと
たとえ一割負担だとしても、こちらも
高額なのではないでしょうか?

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